- 作者: 竹宮ゆゆこ,ヤス
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/08/10
- メディア: 文庫
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6,7 巻に比べると「等身大」レベルに比重を置いた話になっていたように思う.教室の中っぽい,周りが見えないけどそれでも問題ない場所での人間関係と恋愛の話.雰囲気でそれっぽく匂わせることに加え,はっきりと気持ちを表現し,言わなければ分からないことをきちんと描いているのが凄く良かった.ずれたり誤解したりすることもあるけど,伝えられれば誤差はずっと小さくなる.恋はインタラクティブってやつ.まあ現実だってそんな単純にいかないもんだしね.それだけにクライマックスの大河の「告白」には大いに興ざめしたのだけど.話の都合もあるんだろうけど,こんなベタラブっぽい方法ではなくもっと正面から噛み付くようにやってほしかった,という.まあわがままなんだけど,そこが悪い意味ですっげー気になった.収束が近いのかなあ.これでまた引き伸ばされるようなことになれば怒るが.
余談そのいち.小ネタが地味に高齢化してね? こないだの読者交流会でも話題になったんだけど,清水アキラのスキーテクニックなんてそれこそ二十代後半以上でないと分からんネタなのでは.もう固有名詞化してネタにならない独身(30)のかっこさんじゅうの部分がストーリー全体に染み出しつつあるような気がするんだがどう受けとめりゃいいんだこれ.
余談そのに.よく知らないんだけどスキーっていま人気ないの? ちょっと贅沢で身近なレジャーといえばスキーという地域で育ったものの,道具に金がかかることを理由に子どもの頃は連れて行ってもらえず,学校行事のスキー教室でみじめな思いをしていた自分からすると隔世の感があります.
……なんで余談がこんな長くなってるんだ.