ウィリアム・ギブスン/黒丸尚訳 『ニューロマンサー』 (ハヤカワ文庫SF)

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

するとマエルクムの凝視だ。
「あんた、さっき死んでただ」
「そういうこともある。慣れてきたよ」
「あんた、闇を相手にしてるだや」
「ほかにやりようがない、らしい」
主の愛ジャー・ラヴを、ケイス」
と言うや、マエルクムは無線機器の方に戻ってしまう。そのもつれた縮毛束ドレッドロックや黒い腕に盛り上がる筋肉を、ケイスは見つめた。
もう一度、没入ジャック・イン
そしてフリップ

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雇い主から盗みを働いた罰として,二度と電脳空間サイバースペース没入ジャック・イン出来ない身体にされた元コンピュータ・カウボーイのケイス.損傷した神経を回復させるべく,千葉シティの闇医者を頼った彼の元に新しい雇い主が現れることから物語は始まる.
ウィリアム・ギブスンの処女長篇にしてサイバーパンクの金字塔.タイトルの"ニューロマンサー"とは神経の夢想家ロマンサー魔導師ネクロマンサー.灰色に濁った退廃的近未来像.恐ろしいスピードで次々と繰り出される電脳ガジェットの洪水.対立する AI と人間,冬寂ウインターミュートニューロマンサーの戦いの構図.禅は万能.ルビを多用する黒丸尚の訳との相乗効果で,いちいちカッコイイなあああもう,としか.つうても実際のところ,何が起こって何が終わったのか,ストーリー面は把握し切れている自信がないのだけども.ともあれ楽しかったのは事実.