貴島吉志 『イスノキオーバーロード』 (一迅社文庫)

イスノキオーバーロード (一迅社文庫)

イスノキオーバーロード (一迅社文庫)

「いつも通りを守ってこそ、真の勝利とわたくしは思います。戦いに勝っても、それで様々ないつも通りが失われてしまっては、その勝利にどれだけの意味があるかしら」

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剣士のスティロスは双子の妹でメイドのユスハとともに商王国の姫ヴェセルに仕えることになった.王国の商圏を力尽くで奪おうと押し寄せる賊との戦いのなか,少しずつ心通わせていくスティロスとヴェセル.そして商王国と「イスノキの儀」の秘密とは.
剣士と姫の異世界ファンタジー.ストーリーはオーソドックスなそれなんだけど,あらゆるパーツがぼんやりしているのがちょっと.一人称と三人称が渾然とした地のテキストとか,えらく中途半端にしか描かれない世界観(「出土品」を中心に回っているらしい商圏とはどういったものなのかぜんぜん見えない)とか.申し訳ないけど正直厳しかったです.