- 作者: ツカサ,近衛乙嗣
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/05/18
- メディア: 文庫
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「だって悪いことされたら怒らないと、向こうだって謝る理由がなくなっちゃうじゃない。そうなると仲直りなんてできないわ。リンのしてることはすごいと思うけど、受け入れるだけじゃ……これからも失くし続けちゃう気がするの」
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期末テストも無事終わり,学園祭の季節が近づいてきた.ケースケたちのクラスでは,アリッサの希望に応えるかたちでプラネタリウムを製作,展示することになった.その準備に加え,教会に住む盲目の女の子,鈴のため,ほかにも何か出来ることがないか知恵を絞るケースケたち.一方,学園では「光る緑の葉」を手に入れると願いが叶うという噂が広まっていた.
学園祭に向けたがやがやした準備と,甘甘な「桃色の嵐」で盛り上がる前半から一転,後半では不穏な空気と絶望的な結末が待ち受ける.あとがきによると「シリーズ全体の起承転結で言えば、「転」に突入した巻」とのことで,その落差もひとしお.ラブい前半も良かったけど,特に良かったのはクライマックス,屋上での学園祭のシーン.普通に考えれば「お前らそんなことしてる場合じゃないだろ」と言うのが妥当かも分からないけど,こういうのが好きなんだ.『赤城山卓球場に歌声は響く』のクライマックスも*1やっぱり好きだった.
物語もここから大きく動いていくことは必至.どう転がっていくか,どう収めるか.期待して見てます.
*1:イラストの見せ方と合わせて似たシーンがあった