木野裕喜 『暴走少女と妄想少年』 (このライトノベルがすごい!文庫)

暴走少女と妄想少年 (このライトノベルがすごい!文庫)

暴走少女と妄想少年 (このライトノベルがすごい!文庫)

「嫌な奴、それを数字に表すと!?」
「数字? 嫌な奴……いやなやつ……もしかして、18782か?」
「そう! それが二人! つまり×2!」
「18782×2……えっと……37……564……み・な・ご・ろ・し……皆殺し!?」
「大正解!」
「アホかっ!! 余計悪いわ!」

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高校入学の朝.沖田善一は空から降ってきた天使に左鎖骨を折られた.高校デビューにいきなり失敗した善一だったが,鎖骨を折った張本人,明華武瑠に「友達になってくれ」と(上から目線で)頼まれる.それからいろいろ,すったもんだがありまして.
第一回「このライトノベルがすごい!」大賞優秀賞受賞作.寂しい中学時代を送ってきた妄想少年とずっと友だちのいなかった暴走少女のボーイ・ミーツ・ガール.ピーキーな作品が多いこのラノ大賞のなかで,おそらくいちばんオーソドックスなコメディ.かと思いきや,ヒロイン武瑠のキャラクターが良くも悪くも非常にピーキーであった.ケモノじみた言動の小動物系少女なのはいいんだけど,ウンコウンコと連呼するわやたらバイオレンスだわ,学園ものに配置するにはえらくぶっ飛んでいる.好みもあろうが個人的には素直に楽しめなかった.読み飛ばしても特に支障のない善一の妄想も,全体の印象を弱くしていると思う.……といっても妄想の使い方に関しては似た話も多いので,これに限った話でもないのだけど.
『このライトノベルがすごい!』大賞 受賞作特集