相磯巴 『Wandervogel』 （ガガガ文庫）

Wandervogel (ガガガ文庫)

「勇者様、お願いがありますのじゃ」
「お願い、ですか……」
嫌な予感がした。だって、勇者が頼まれることなんて、そんなに種類ないでしょ。

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浮遊大陸アトランティス．温暖な気候のもと，複数の国に住む人々は，豊かで平和な生活を謳歌していた．花の国ディアプレペスの冒険者養成機関，ギムナジウムで訓練生活をおくっていたタマキとユウキの双子の姉弟は，外界の海へ向かう開拓船の乗員に，王の遣いから直々にスカウトされる．
第 4 回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞受賞作．ファンタジーのためのオーソドックスなライトファンタジーという風情．物語や世界観は主に「世界樹の迷宮」やモンハンといったあたりを下敷きにしていると思われる．まず設定資料を作ってから書き始めたのだと思うけど，設定を見ながら忠実に漏らさず描き起こしたようなテキストはかなり杓子定規．そこらのノベライズよりも悪い意味でノベライズっぽい．差し挟まれるギャグも，物語世界と噛みあっていない．全体通してかなりぎこちなかった．