伊上円 『ドラゴンブラッド』 (MF文庫J)

ドラゴンブラッド (MF文庫J)

ドラゴンブラッド (MF文庫J)

「あたしはほら、自分が異常だって知ってます。それに、まだ死にたくもないですから」
ペコリ、とそいつは頭を下げた。
「ここにいる間だけでも、あたしの手綱を握って下さい。お願いします」

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この街ではケースP──「超能力事件」と呼ばれる連続殺人事件が起こっていた.ある秘密を抱える高校生,天音櫛秋良は,夜の繁華街で本物の「殺人鬼」を名乗る少女,全無壊世(うつなしかいぜ)と出会う.
第 6 回 MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞.どなたかもつぶやいていたと思うけど,どことなくデビューしたころの星家なこを思い出した.視界が場面ごとに切り取られ,ものすごく限定されたなかでの会話のやり取りと異能バトル,という.しかし内容らしきものがほとんどないのが辛いな.意図してペラくした感じならともかく,そういう風でもないし.雰囲気とキャラクターだけで一冊もたせたことは褒められるかもしれないけど,どちらにもフックしなかった私にはただ空っぽなだけの本にしか取れず.