赤月黎 『繰り世界のエトランジェ 第五幕 永遠のリザルト』 (スニーカー文庫)

「だから、異能こそ人の進化した姿……でも、人は人のままでいいんじゃないか。全員が『極限』を手に入れ、世界が『極限』で満たされて……それで、どうなるっていうんだ」
「なってみなければ分からないわ。一つだけ言えるのは……今の人類はすでに限界に到達しているってこと。人類がこれ以上の躍進を遂げるには根本的……いいえ、魂本的に変わる必要がある。それだけよ」

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目的は神の手(ゴッドハンド)に強奪されたカタナを助けること,神の手(ゴッドハンド)を倒すこと,女神の“城”の位置を知る月読を捕えること.三つの目的を果たすため,透真たちは富士山の地下にある〈七織〉の研究施設マサク・マヴディルに乗り込んでゆく.
クライマックス直前の巻.みっしりとした情報密度で,しかもほぼ会話だけで成り立たせている前半に驚いたのだけど,ところどころで整理してくれるので読みにくさはあまり感じない.しかし毎度毎度感想を書きにくい作品だなあ.ハッタリとも中二とも勢いとも少し違う語り口だし,ひとことで現しにくいってのがあるのか.