岩佐まもる 『ROBOTICS;NOTES 2 キルバラッド・ファントム』 (スニーカー文庫)

腹の底にジクジクとした粘着質な痛みがある。
まるで生理不順にでもなったかのような――いや、実際になっているのかもしれない。この2か月近く、自分の生活リズムはいつにも増してひどい。普通に変死体がここ廃墟ホテルに転がっていてもおかしくないレベル。
――いいんじゃね、別に。
瞼を閉じながら、フラウは投げやりに思う。
いまはもう何も考えたくない。

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引きこもりながらも海翔の君島レポート探しを手伝うことになったフラウ.ある日,最終回前にて打ち切られた「ガンヴァレル」の最終回がネットに流出されたとの情報を受ける.そこには人類滅亡を予言した君島レポートと同じ内容のメッセージが隠されていた.
神代フラウ視点で描かれる『ROBOTICS;NOTES』ノベライズの二巻.ストーリーはほぼ原作通りなのだけど,原作では書かれなかった視点が増えており,そのあたり微妙だった一巻(感想)からぐっと面白くなっていると思う.まあ,原作をクリアしてからだいぶ経ってるし細かい部分を忘れているだけかもしれないけども.フラウの視点にこだわったぶん,原作のストーリーラインはわかりにくくなっている気がするけど,世界滅亡の陰謀とか誰かが流出させた映像に隠されたサブリミナルメッセージとか,陰謀論とオカルトというもう一方のエッジが目立った話になっている.そういう意味では原作ファン向けなのかな.