はむばね 『魔法少女アーヤ☆アミー』 （ガンガンノベルズ）

魔法少女アーヤ☆アミー (ガンガンノベルズ)

物語の最後に相応しい、大団円と呼んで差し支えない場面だった。
そして。
アヤミ＝サクラは。
この世界から、消えた。

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ナチュル王国第一王女，アヤミ＝サクラは三年前の反乱により両親である国王と王女を失った．とうとう反乱の首謀者センのもとにたどり着いたアヤミは，センの謀略により平行世界へと飛ばされてしまう．そこは，アヤミそっくりの魔法少女ラジカル☆アミーが日常的に活躍する日本だった．
魔法少女が普通に受け入れられている日本のある都市が舞台．導入は比較的ゆるめのガール・ミーツ・ガール，もとい魔法少女・ミーツ・魔法少女．同じ顔をしながらも対称的な性格の絢海とアヤミが仲良くしたり喧嘩したり魔物と戦ったり．なぜ魔物が出るのか，そしてなぜ魔法少女が存在するのか，という世界の根幹の話に移っていく．平行しながらもぜんぜん違うふたつの世界は，どちらが「優しい世界」なのか，という対比のさせ方が面白いと思う．
タイトルとテーマがよく似ているあの作品が頭の片隅に引っかかってしまうのがニントモだけど，こちらはこちらで一冊で非常に綺麗にまとまっており，すっきりと読めて楽しかった．幕間にある小島あきら（キャラクターデザイン担当）の四コマ漫画も，いつもどおりの小島あきらという感じでこれまた楽しい．単体でコミカライズが出たりすると嬉しいですにゃー．