- 作者: 五代 ゆう,前田浩孝
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/10/21
- メディア: 文庫
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『君は帰還の代償として、ある大きなものを喪わなくてはならないだろう』
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だが、こんなことだとは思っていなかった。近くにいてほしかった相手を、自らの手で屠ることだったとは。これが代償となると知っていたならば、決して──。
「もし、そこにいるのなら、私といっしょに来る気はないか。私はこれから旅に出る……長く、遠い旅に。道連れがあるというのも、いいものかもしれない。長いあいだあなたは孤独だった、エンジェル、それは、あなたが周囲を見ようとせず、心を開こうとしなかったからだ。私もかつてはそうだった、しかし、今は違う」
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割れたチップを夜空にさしあげる。わずかな光を受けて、チップはほのかに輝いた。
「私はあなたに世界を見せたい。あなたの娘が守った世界を。彼女が愛した、人間を」
戦いのなかサーフは死んだ.生き残ったローカパーラの人間たちとエンブリオンの〈ASURA〉たちは,テクノシャーマンのセラより〈神〉の真実を知らされる.
〈神〉はなぜ狂ったのか.そして〈神〉によって産み出された人間と〈楽園〉を守る,〈悪魔〉と〈女神〉の闘いの結末.読みはじめた頃からは正直想像もできないところへ落ち着いた感がある.量子の浜辺から見守るもの,〈神〉,人間と,バラバラなスケールから見る世界の終焉は圧巻のひとこと.それぞれに思いを抱いた登場人物たちも,当初とは見違えてどんどん魅力的になっていった.特に,最初から最後まで人間くさかったロアルドがこんなに格好良く見えるようになるなんて.
いろいろあったけど,「メガテン流の」ハッピーエンドというひとことがいちばんしっくりくる感想ではないかなと思いました.メガテンの好きなひともそうでないひとも,今からでも追いかけてみるといいと思う.傑作でした.