- 作者: 三井雷太,緒方剛志
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2009/09/29
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
不意に、自然の掟にそぐわない行為がこの団地のなかで許されるはずはない、と感じた。
Amazon CAPTCHA
ひょっとして、わたしをここに呼んだのは、『団地の意思』なのかもしれない。異分子であるあの男を、この団地から取り除くために。
鍛え上げた身体能力を持ちながら,目立たないよう普通の生活を送っていた女子高生のヒトミは,不良に絡まれていた少女を助ける.翌日,その少女・理沙がヒトミのクラスに転校生してきた.
第 1 回メガミノベル大賞金賞受賞作.握力 75 キロの少女,デジャヴとフラッシュバック,打ち捨てられ廃墟と化した団地,悪魔,実は○○だった××などなど…….やー,なんかいろんなものを盛り込んでてストーリーにまとまりがない.使えるネタはなんでも使えの姿勢は,同期受賞の『ゴほうし!』に通じるところもある.子どものころに子猫を死なせてしまった(サイドブレーキの外れたトラックにひかれてしまった)ことが,どうして肉体を鍛え上げることに繋がるのかとかさっぱり分からないなど,話があちこちで飛躍するのだけど,独特の理屈がつなぎのような役割を果たしているのかな.読んでて不思議と飽きない.脈絡もなく悪魔を登場させたり,『団地の意思』,『団地の主』といったセンスはとても真似できそうにない.どこまでギャグでやっているのか,あくまでシリアスを狙っているのかが分からんのだけど,まあそういうところも含めてとっても楽しんだわけです.