瀬尾つかさ 『魔導書が暴れて困ってます。まぁ、どうしよう!?』 (一迅社文庫)

魔導書が暴れて困ってます。まぁ、どうしよう! ? (一迅社文庫)

魔導書が暴れて困ってます。まぁ、どうしよう! ? (一迅社文庫)

「このことをよく覚えていて」
親友がいう。
いや、違う。
「このことは忘れて」
だっただろうか。
彼は悲しそうに「信じてくれ」という。
いやそうじゃない。彼女だ。
……あれ? と謙児は首をひねる。
これはいつの出来事だろう。
いったいいつ、真崎謙児は彼/彼女と出会ったのだろう、と……。

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真崎謙児は東京南方の離島にある学園都市,六道学園に転校することになった.引越しの初日,島の森に迷い込んだ謙児は,いまの世界では失われた技術であるはずの「魔法」を目にすることになる.
美少女姉妹に協力して,暴走した魔導書を集めて回る羽目になった謙児の信念と過去について.タイトルがこんななので中身はどうなのだろうと思ったけど,読んでみると,いつものそつなくまとめる瀬尾つかさという感じで安心(少しラブ寄せかも?).現代世界にファンタジーをまぶした世界観に,友だちのできない残念美少女といういかにもなパーツを組み合わせつつも,話の重要なテーマである「信頼」を何度も何度も繰り返し言葉にしてまとめあげている.あとがきにゲーム的な小説とあるとおり,言葉や設定にはいろいろ盛りこんでいるのだけど,根っこにあるものはぶれていないのだなあと読むたびに思うことです.