赤井紅介 『白翼のリンケージ II』 (スーパーダッシュ文庫)

白翼のリンケージ〈2〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)

白翼のリンケージ〈2〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)

そりゃそうだ。だっておれは、おれだけは霊刀撫鷲を構えて見を低くしていたのだから。“リンク”で繋がれていた明日花には、わかっただろうさ。
十年前の夜から抱え込んできた、おれの焦燥と、怒りと、悲しみと、失望感がッ!
そして、ようやく巡り遭えた歓喜が!

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狼男(ライカン)の呪いによって“リンク”してしまった楓と明日花は,仲良く喧嘩しながらともに剣の修行に励んでいた.そんななか現れたのは楓がかねてから追い続けていた異形,鄢金だった.
十年間続いた因縁にひとつの決着がつく.伝奇剣戟アクション第二章.出血量多めのアクションシーンも悪くないんだけど,どちらかと言うとキャラクター小説として楽しんだ.なんというか,このひとの描く男の子と女の子のやり取りは妙に可愛いくてツボなんだ.うまく言語化できないんだけど,楓の一人称とか,喋り言葉がまったく女の子らしくなかったりする明日花も然り(ぼんやり読んでいると話者が分からなくなる……まあ複雑な話ではないので).気合の入ったイラストも,癖が強いんだけど合わせて好きだな.