- 作者: 飛山裕一,HRD
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2012/10/09
- メディア: 文庫
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「悪魔もね」
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かがりは真剣な目をした。遠大な目標を目指す表情だ。
「次のステップに昇りたいの」
次のステップ? なんだろう。かがりは胸に握り拳を当てて宣言する。
「悪魔の革新」
「悪魔の革新、とは?」
「あんたが知っても仕方のないことよ」
「なんで?」
「あんた人間でしょ」
悪魔が来りて法螺を吹く,的な.『ファウスト』,『ネオ・ファウスト』に多大な影響を受けているという第3回このライトノベルがすごい!大賞・優秀賞受賞作.導入のテキスト,「悪魔の革新」や無気力主人公の無気力さの理由など,端々のパーツに時折すごいセンスを感じる.のだけど,全体で見るといまひとつ話が繋がっている感じがしないのよなあ.会話主体で露悪的なテキストも個人的にまったく受け付けず.昨日の『魔王討伐!俺、英雄…だったはずなのに!?』(感想)と同じで,あとひとつなにかが足りていないというか,踏み込みが足りない気がする.