さがら総 『変態王子と笑わない猫。7』 (MF文庫J)

人間関係というやつは、どうしようもなく難しい。
ぼくは――いや、ぼくらは間違っていた。
友だちだから追いかけるとか、友だちだから待ち続けるとか、そもそものスタートラインの設定がおかしかったのだ。
追いかけたいから追いかける。待ってあげたいから待ってあげる。たったそれだけでよかったのに。
友だちのはずだから友だち。きちんとしたカンケイ。
そういうカテゴライズする言葉にすがって、現実から目を背けていたんじゃないか。
それを思い知るのは、翌週のことである。

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今になってわかる。
友だちと友だちが友だちになることは、ただ友だちをつくることよりもよっぽど難しい。
筒隠月子と小豆梓。
たぶんふたりは、ホントの友だちではなかった。

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クリスマス,初詣,ポンコツさんもとい鋼鉄さんのセンター試験という時期を経て,横寺くんはなにを決めたか.年末年始という時期,ひと通りのイベントは描かれるのだけど,派手なことは起こらない.それでいて,どうしてこうも不穏な空気を出せるのか.ほんのちょっとしたセンテンスとか,意味があるのかないのか微妙な傍点にもいちいちドキッとしてしまう.完全に作者の手のひらで踊らされている.読者の鑑となっている私だ.今回は影が薄いうえに横寺にいいようにされる猫神さま.ほんとうに物語を動かすのは人間である,というありきたりな結論になるのだろうか.引きも気になるし,続きが早いとこ出てくれると嬉しいなあ.