安藤白悧 『魔法少女地獄外道祭文』 （講談社ラノベ文庫）

魔法少女地獄外道祭文 (講談社ラノベ文庫)

「のこぎり？　だって、この試合は武器の使用は禁止されて……」
「あるじゃないですか、人体に。のこぎりの刃のように等間隔で突起が並んだ部位が……」
「えっ？　……まさか！」
――この人ならこれだけで気づくと思っていた。
「背骨？」
「そうです！　宙に回転するガネーシャは己自身を巨大な丸鋸に変え、怪獣の背びれのように浮き上がった背骨を鋸刃にして、リーの体を鋸引きにしたんです！」
「馬鹿なの？」

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魔法少女たちが集い，大勢力になりつつある「永遠の満月団」であったが，素手派魔法少女たちと武器派魔法少女たちの間には微妙な確執が生まれつつあった．素手と武器，本当に強いのはどちらか．魔法少女たちのガス抜きとして，「魔女」長南雨衣佳は「魔法少女武道大会大会」の開催を提案する．
日本武道館を舞台に，魔法少女たちの武道大会大会がはじまる．「特殊ラノベ作家」のデビュー三作目は，全編が「偉大なるご先祖(山田風太郎)様」こと山田風太郎忍法帖のパロディとなっている．つうても私は通算で一冊くらいしか読んでいないので……．肉体対肉体，武器対武器のゴア描写あり食い合いありなんでもありの魔法少女バトルは非常にとっ散らかってるし内容もあってないようなものだけど，深いこと考えずとも楽しいのよね．ラファティを引用したりとか，たぶんいろんなネタがあちこちにあるんだろうなー．それなりに用心深く読んだけど，あんま分からなかった．まあそんなに気にすることもあるまい．しかし，ラストとあとがきを読んだ感じ，これで完結なんだろうなあ．個人的に非常に楽しませてもらったので，次の作品が出ることを楽しみに待っております．