遠藤浅蜊 『魔法少女育成計画JOKERS』 (このライトノベルがすごい!文庫)

右手で偃月刀を持ち、左手を添えた。繰り返し訓練してきた。地道な練習は陸上をやっていた頃から嫌っていたが、それでも指示に従った。
魔法少女を続けたかったからだ。ピュアエレメンツの皆で魔法少女を続けたかったからだ。ババアになっても魔法少女をやろうねといってクェイクに笑われたこともあった。
今、なんのために訓練をしていたのかがわかった。
敵を殺すためだ。

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魔法少女プリズムチェリーこと加賀美桜は,「魔法の国」の存在を知らない四人の魔法少女に出会う.不審感を抱きながらも仲良く過ごす五人の魔法少女たち.その一方,“K県S市に人造魔法少女の研究所有り。調査乞う。”という差出人不明のメールに誘われた魔法少女たちが,S市に集まりつつあった.
魔法の国の理を外れた人造魔法少女とは何なのか.魔法少女と人造魔法少女の腹の探り合いの影で何者かが暗躍する.事あるごとに,当たり前のように魔法少女の首が飛ぶサスペンス.魔法少女たちの死に様が今までにもましてゴミのようである.いつもどおりといえばいつもどおりではある.「魔法少女狩り」と呼ばれるスノーホワイトと,行方知れずのリップルという軸が見えてきたので,ストーリー的にはようやく興味を惹かれるところが出てきたかな.この感じなら完結まで追いかけていける.