我がヒーローのための絶対悪(アルケマルス) 2 (ガガガ文庫)
- 作者: 大泉貴,おぐち
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/08/18
- メディア: 文庫
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「しかし、闘争というのはなにも暴力だけではありません。我々は他者とわかりあうための言葉も、わかりあえる心も持っているのですから。
我がヒーローのための絶対悪(アルケマルス) 2 (ガガガ文庫) | 大泉 貴, おぐち |本 | 通販 | Amazon第一種 の世代は失敗しましたが、次の世代である次種 の君たちにはどうか見つけてほしいのです。リヴァイアサンという組織にとらわれない、この社会で君たちが生きていくための、それぞれの『良き闘争』を……」
十雲の柔らかい眼差しがいつのまにか花音のほうへ向けられていた。
「桜井花音さん、どうです? いま君は、君だけの『良き闘争』を見つけられていますか?」
「余は認めない。お主はヘルヴェノム卿でも、ましてや
我がヒーローのための絶対悪(アルケマルス) 2 (ガガガ文庫) | 大泉 貴, おぐち |本 | 通販 | Amazon絶対悪 でもない。その不遜なスーツで力を得たと勘違いした、悪の皮をかぶったニセモノである! ヘルヴェノム卿と我らが歩み、紡いできた歴史に、貴様のようなニセモノが立ち入ることなど断じて認めんッ!!」
禍嶽社リヴァイアサンの二代目総帥,ヘルヴェノム卿こと沖名武尊は,ガイムーンに関するプロジェクトの情報を手に入れ,エコールこと桜井花音とともにある病院に向かう.一方,
正義のヒーローになった幼なじみのために「
ヒーローになれる条件としての「正義」(一般的な正義ではなく変身の条件)が完璧に定義されているのだけど,それがマインド・セットという形で表現されるのがミソなんだろうな.心がなくとも機械的に為せる正義.「悪」がない世界では「正義」はどうなってしまうのか,というよくある問いかけに,この作品でないとできない回答を用意してくれている,と思う.とにかく「正義」と「悪」の葛藤がすさまじい熱量を持っている.手加減のないアクションシーンも激しく,そしておそろしくかっこいい.傑作だと思います.ヒーローもの好きなひととかにもっと読まれるといいな.