岡本タクヤ 『異世界修学旅行6』 (ガガガ文庫)

異世界修学旅行 6 (ガガガ文庫)

異世界修学旅行 6 (ガガガ文庫)

「魔王は、人間に興味があるのかもしれません」

「ほう?」

「人は何故過去に留まらず、前に進もうとするのか。その答えが知りたいのかもしれません。だからこそ、甘やかな過去を見せて人を誘惑する」

「ふむ」

「……仮説ですが」

Amazon CAPTCHA

異世界に飛ばされた仲間を探して修学旅行中の沢木たちは,とうとう魔王城(魔王討伐済み)にたどり着く.しかし,城に足を踏み入れた面々を待ち受けていたのは,制服姿のプリシラと,入学式の日の幻だった.

修学旅行「前」のクラスの様子が明らかになる第六巻.明らかにおかしなシチュエーションを舞台にしながら,これまでになく素直で良い青春ものになっているのが面白い.シリーズでここまでやってきたギャグと楽屋落ちが,しっかりキャラクターを活かすための土台になっていたことがわかる.ベタと言っちゃえばベタだけど,これだけのテキストで学校の雰囲気を出せるのはすごい,というかやはりうまい.修学旅行もそろそろ終わりが近い雰囲気.追えば追うだけ味の出るシリーズだと思うし,皆も読んでみるといい.