すめらぎひよこ 『我が焔炎にひれ伏せ世界 ep.1 魔王城、燃やしてみた』 (スニーカー文庫)

「誤解です! ロリコンなんかじゃありません! ただ、力では負けることのなさそうな体格の年下の子が好きなだけなんです!」

「ロリコンとほぼ同義じゃねえか!」

「違いますよ! ちゃんと男の子も守備範囲内ですから!」

穂村朝日は気がつくと清白な空間にいた。同じ空間にいたのは少女が四人。そこに、女神を名乗る六人目の少女が現れる。女神曰く、「私の世界を、魔王の手から救っていただけませんか?」

異世界に召喚された五人のわけあり少女たち。傍若無人な魔王退治の旅が始まる。第27回スニーカー大賞、12年ぶりの大賞受賞作。きらら系列の4コマファンタジーをテキストで書いたようなノリのファンタジーコメディ。テンポの良い会話の描写は悪くないんだけど、一冊をかけたプロローグ止まりなのがちょっと気に入らない。若干の闇や伏線はあるけど、そのくらいはきらら系列でも当然にやっているし新鮮味はない。そういうものだと思って読むぶんにはいいんだけど、せめて話に動きがあるところを見せてくれないと、どのあたりが12年ぶりの大賞にふさわしいのかわからない。早く続きを出してくれないと厳しいぞ。よろしくお願いいたします。