- 作者: 屋久ユウキ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/11/17
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (4件) を見る
「たまちゃんって、クラスのみんなに、興味ないよね?」
クラスで浮いていたたまちゃんのため,師匠を引き受けることになった友崎.自分が重ねてきた努力とノウハウをたまちゃんに伝授していくが,日南はなぜかそれを快く思っていないらしい.少しずつ状況が変わっていくなかで,やがて決定的な場面が訪れる.
まっすぐな自分を持つが故にクラスから浮いてしまった少女がいるとして,彼女とその周辺と,どっちが変わるべきか.弱キャラに強キャラの弟子ができたよ,というシリーズ六巻.まあ,師弟関係とはだいぶ違うと思うんだけれど.似たところがあるからといって,同じようにやってうまくいくとは限らないよ,という当たり前のことを地道に一歩ずつ描いている.
後半で描かれる「巧妙に計算された悪意による、壮大なマッチポンプ」の表現にはなかなかぞっとくるものがあった.短い中でこれだけの「空気」を描ける作家はなかなかいないと思う.良かったです.
「建前があったら『攻撃』じゃなくて『罰』ってことになるんだよな」