- 作者: 天宮伊佐
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/01/18
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (2件) を見る
「なんてつまらない世界だろう。すべてが科学的で、『
正体不明 』の不明な世界。こんなにも無粋な世界で生きていたって、愉しいことなんて何もない。桜井くん。『異世界に行ける方法』の噂に一縷の望みを託すのも、これじゃあ仕方のないことだと思わないかい?」
猟奇殺人事件から半年.
新しい現代怪談.「異世界転生」をテーマに取り上げているのだけど,都市伝説とかけ合わせて,こういう風に扱った小説は読んだことがない.オカルトとインターネットと異世界転生が,三題噺のように鮮やかに,それでいて変な方向にしっかりと風呂敷を広げながら,一連の出来事がつながっていくのがとてもバカバカしく,とても楽しい.群像劇風に話が進み,全員に活躍の場があるのも良いところ.新しくて完成された,とても良いホラーだと思います.