- 作者: 乾緑郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/05/27
- メディア: 文庫
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「君は武道か護身術でも嗜んでいるのか」
「ああ。
馬離衝 を少々」「バリツ?」
1892年.万博の開催を翌年に控え,
万博目前の新大陸を舞台にした『機巧のイヴ』の続編.和風伝奇スチームパンクだった前作に引き続き,万博,鉄道王,直流対交流の電力戦争といったテーマを盛り込んだ新大陸伝奇スチームパンクとなっている.個人的にはバリツの解説にこれだけのページを使っている小説をはじめて読んだ(たぶん他にもいろいろあるんだろうが).変態揃いのうえ癖が強いのに,妙に隙が多い登場人物たちの存在は,物語の緊張感を削いでいた気がするのだけどどうなんだろう.短編から長編になったのが大きいのだろうけど,ネタの緻密さや密度では前作には届かないかなあ.悪い小説ではないのだけど,前作のインパクトが大きすぎたのだと思う.個人の感想です.
kanadai.hatenablog.jp