- 作者:赤城大空
- 発売日: 2021/03/18
- メディア: Kindle版
ジェーンが浮かべたそのドロドロの表情は、本当に本当に心の底から幸せそうな代物で――俺はそのとき初めて、女の子の蕩けた表情に恥ずかしさや気まずさではなく純粋な恐怖を感じた。
日欧霊能圏の友好関係再構築のため、北欧のアルメリア王国から訪日していた王女の護衛艦隊が襲撃される。ひとり逃亡した王女シーラを偶然保護した古屋たちは、会談が終了するまで協力して護衛にあたることになる。そして現れる国際霊能テロリストたち。
《サキュバス王の性遺物》を狙った国際霊能テロリストたちの襲撃が始まる。敵は本能を失った獣化人間たち。欧州祓魔連合と国際霊能テロリストの登場でさらなる広がりを見せる、霊能アクション第8巻。基本的には新キャラの顔見せと世界観の拡張のための巻という気はする。下世話なエロとアクションと伝奇性・異能の理屈づけは毎度のことながらさすが。あとはスペシャリストに金を出さない我が国だとか、前作から続き表現規制への牽制だとか、ちくちくと織り交ぜているのが好き。前も書いた気がするけど、鮮度のある時事ネタと風刺を入れてこそのエンターテイメントだと思うので。引き続き追っていきたいと思ってます。