すべての始まりは、たった一言の『死の宣告』だった。
「お前、死ぬよ」
開口一番、お師匠様はそう言った。
魔女見習いのメグ・ラズベリーは、十七歳の誕生日を迎えたその日に、余命一年の呪いがかかっていることを知る。呪いを解く方法は、人々の嬉し涙を千粒集めて「命の種」を生み出すこと。「永年の魔女」の二つ名を持つ師匠ファウストに告げられた条件を達成するため、メグはたくさんのひとに関わることになる。
電撃の新文芸2周年記念コンテスト・熱い師弟関係部門大賞受賞。現代の、どこともしれない街に暮らす、ふたりの魔女。予定された逃れられない死を知り、「魔女の弟子」でしかなかった少女が、様々な出会いの末にひとりの魔女になるまでを描いてゆく。優しい現代ファンタジー、なんだけど、主人公メグのセリフになんJ語が挟まるのがかなり気になる。そこ以外は癖のない文体なので、メグの育ちとか身近さの表現だと思うんだけど、悪い意味で現実に引き戻される。カクヨムで読むなら丁度いい塩梅だったと思うんだけど……。