那西崇那 『蒼剣の歪み断ち』 (電撃文庫)

「全ては……決められています。今から五時間後に、私は……あなたに殺されて死ぬ。……そう決められています」

この世界の歪みを内包した超常の物体、《歪理物》(ヴァニット)。「生きたい」と《魔剣》に願った少年、伽羅森迅は、《本》に運命を縛られた少女、アーカイブとともに《歪理物》(ヴァニット)が起こす事件の解決にあたっていた。迅の目的は、アーカイブの依り代になった少女を救い出すこと。たとえそれが彼女を消すことになるとしても。

第30回電撃小説大賞金賞受賞の、呪いと運命の物語。SCPに異能とバトルを組み合わせたような小説で、個人的には今ひとつピンと来なかった。ひとつひとつの《歪理物》(ヴァニット)にもうちょっと焦点を当ててほしかったけど、このあたりは好みの範疇か。