人の幸福には、楽観視の色眼鏡が必要不可欠らしい。
ならば、私は一生、幸せにはなれないだろう。
目を覚ますと、
遊園地で、海辺で。〈30回目〉で失った指を模造品で補い、それでも99連勝を目指して、彼女は死亡遊戯を続けていた。少女たちの死亡遊戯、第三巻。露悪的でキャラクター性を強めた、その場限りの見世物としての殺し合いでも、積み重ねることでいろんなものが生まれる。絆とか、因縁とか、恨みとか……。「魔法少女育成計画」が好きなひとには刺さるのではないでしょうか。
無人の孤島が舞台ということもあってか、今回は特にクローズドサークルみが強かった。解説(の一人)で斜線堂有紀が「変則的な特殊設定ミステリ」というのがいちばんわかりやすい巻だと思う。リーダビリティもエンターテイメント性も高いので、とりあえず気になるワードがあれば手に取ってみていいかもしれない。良かったです。