鵜飼有志 『死亡遊戯で飯を食う。3』 (MF文庫J)

人の幸福には、楽観視の色眼鏡が必要不可欠らしい。

ならば、私は一生、幸せにはなれないだろう。

目を覚ますと、幽鬼(ユウキ)は水着を着て孤島の海辺にいた。44回目のゲーム、〈クラウディビーチ〉の始まり、プレイヤーは8人。その翌日、プレイヤーのひとり、永世(エッセイ)の切り刻まれた死体が発見された。

遊園地で、海辺で。〈30回目〉で失った指を模造品で補い、それでも99連勝を目指して、彼女は死亡遊戯を続けていた。少女たちの死亡遊戯、第三巻。露悪的でキャラクター性を強めた、その場限りの見世物としての殺し合いでも、積み重ねることでいろんなものが生まれる。絆とか、因縁とか、恨みとか……。「魔法少女育成計画」が好きなひとには刺さるのではないでしょうか。

無人の孤島が舞台ということもあってか、今回は特にクローズドサークルみが強かった。解説(の一人)で斜線堂有紀が「変則的な特殊設定ミステリ」というのがいちばんわかりやすい巻だと思う。リーダビリティもエンターテイメント性も高いので、とりあえず気になるワードがあれば手に取ってみていいかもしれない。良かったです。