白瀬修 『おと×まほ』 (GA文庫)

おと×まほ (GA文庫)

おと×まほ (GA文庫)

美少年が女装を強要されて戦う魔法少女もの.プロットは魔法少女もの(に限らず変身ヒーローやロボットものにも通じる)としてはベタだけど,適度におバカやらドタバタやらシリアスやら織り交ぜつつ,最後まで飽きずに読めて良かった.日常の中でアイデンティティの葛藤が唐突に始まったり,細かい瑕疵はあったような気がするけどさして気にならなかった.
となると問題になるのは主人公が女装(させられる)少年である必然性だよなあ.今回読んだ限りじゃ単に「校内一の美少女」を無理矢理変身させたい! だけの,一発ネタでしかないよな.つーかその「校内一の美少女」も,ヤスのイラストに騙されてなんとなくそんな風に読まされてるんじゃないかという気がしてきた.女装によって内面が変化して,とか新たな道に目覚めて,とかがあるならともかく,結局は女装のビジュアル的な面しか追いかけてないようでそこは大いに不満.
まあでもとりあえず.

(……防御するべき領域が多すぎるっ!)
こんなところで大笑いした私は楽しんだほうだと思う.どっちにしろ,続きが出るならその辺の不満を解消してくれる説明を求む.
あ,これが楽しめたひとは石田敦子の『魔法少年マジョーリアン』*1を読んでみるとまた楽しいかも.嫌がる少年 → 変身 → 戦闘魔法少女ってな似通った設定ながらアプローチがぜんぜん異なるので比較してみると面白いかもよ.なによりこっちよりエロいしよ.いじょう蛇足でした.