灰原とう 『イメイザーの美術3 砂と星のあいだに』 (ガガガ文庫)

イメイザーの美術  3 砂と星のあいだに (ガガガ文庫)

イメイザーの美術 3 砂と星のあいだに (ガガガ文庫)

どんな草花でも、くきや葉がどんどん成長しているときには花はさきません。
からだがすっかり成長しきったときに、たねをのこすために花をさかせるのです。
──佐藤有恒、中山周平 『科学のアルバム アサガオ たねからたねまで』

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ドロイド王子とコロイド王子,そしてドロンコ大王の治めるドロンコ王国.子どもだけの地下王国の崩壊あるいは解放.
地下にある泥の王国からの脱出アクションを軸に「子どもたち」の物語を描く.子どもに出来ること,大人でなければ出来ないこと.子どもたちが子どもらしい悩みに押しつぶされそうになるなか,天真爛漫を満面に出したヒロイン砂夜の強さがとても目映い.屈託のない「ありのまま」を武器に話を引っかき回し,真っ直ぐにするスク水トリックスターに私も胸キュンしました.直接的・間接的描写の区分けがくっきりしすぎている,バトルを絡めた話の組み立てにあんま必然性が感じられないなど粗さがあるのはあんま変わっていないんだけど,描きたいことを好きなように描いてるようでなにより.次回も楽しみにしてます.