- 作者: 虚淵玄,中央東口
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/07/17
- メディア: 文庫
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戦争を倦みただ飛ぶことだけを求めて軍から離れた男,死んだ仲間のために軍に残った男.戦いを憎む,と言葉で言うのは簡単だし,態度で示すのもそう難しいことではないはず.でもそれだけでは戦争という社会現象の前ではまったく力を持たないよね,というじりじりした苦しさを対照的な道を選んだ二人の男たちの背中に描く.夢と現実,というフォーマットであることは間違いないのだけど,どちらへ転んでもうまくいく気配が無いという息苦しさはなかなかきつい.
そんな話において,龍との競争のシーンは圧巻.迫力もさることながら,速さ比べを楽しみ,自分より速い相手には純粋な敬意を表する龍たちは,窮屈な物語世界の救いであり希望でもある.
てことで面白かったです.しかしこれ話運びがハードで続きがまったく想像できないな*1.早急に続刊を要求する所存です.
*1:鍵を握っているのはおそらく龍だろうけど