梅村崇 『時に消えたキミと歪曲の十日間 デイ・トリッパー』 (徳間デュアル文庫)

時に消えたキミと歪曲の十日間―デイ・トリッパー (徳間デュアル文庫)

時に消えたキミと歪曲の十日間―デイ・トリッパー (徳間デュアル文庫)

普通の高校生外村は四次元人のティムとの出会いから,9 月 30 日→ 10 月 4 日→ 10 月 1 日という具合に周囲とは別の不連続な時系列を過ごすことになった.ティムが言うには,時空の流れを阻害する超時空結晶体を十日以内に見つけられなければ世界は消滅してしまうという.
ある高校生の不連続な十日間の出来事.別時系列の因果関係の結着やキャラクターなど,比較的手堅くまとまっている感じ.構成は面白いんだけど,破綻するのを避けた結果なのか物足りない部分も多かった.個人的に良かったと思ったのは SF 的要素のぼやかしかた,かわしかた.三次元と四次元の関係は比喩的表現にとどめる一方,四次元人のティムはオレンジ色の髪と青いボディスーツをまとったバリバリの未来人的ビジュアル.このあたりはツッコミをいれたとして無粋,というかのれんに腕押しだろうなー.まあ全体的には物足りなさのほうが勝ったのですが.ところで四次元人には目が三つある,ってどこか聞き覚えある気がするんだけど元ネタありましたっけ.