榊一郎 『ザ・ジャグル 汝と共に平和のあらんことを II』 （ハヤカワ文庫JA）

ザ・ジャグル 2―汝と共に平和のあらんことを (ハヤカワ文庫 JA サ 9-2) (ハヤカワ文庫JA)

つまり『平和』という一語に対する解釈の違いだ。
しばしばそれは『戦争』の対義語として語られるが──ではそもそも『戦争』とは何なのかという定義の問題に行き着く。

Amazon CAPTCHA

地球唯一の軌道エレベーターを中心に建造された，永久平和都市オフィール．〈ザ・ジャグル〉とは，オフィールの「永久平和」を維持するため，テロや戦争の痕跡を，手品師のように綺麗さっぱり消し去る特殊部隊である．
永久平和都市に暗躍する影の特殊部隊の活躍．一話完結の短篇でもって癒えない戦争の傷跡，そして平和とはなんぞを色んな側面から浮き彫りにしてゆく．もともとはアニメ脚本全十三話ってことで，なるほど切れが良く分かりやすい．しかし，連作短篇というには一話ごとの積み上げみたいなものがあまり感じられないのが物足りない．「軽小説」といわれればまさにそのとおり，なんだけどね．