- 作者: 明坂つづり
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/05/18
- メディア: 文庫
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「あのね、いい? 姉ちゃんの身にもなりなさい。お父さんが仕事クビになってすぐお母さんがパートに出たでしょ? で、お父さんに仕事が見つかってお母さんもパート辞めるかーって思ってたら辞めないの。そんなすぐに辞められるわけないじゃなーいって言うのね。となると、お父さん、お母さん、姉ちゃん、湊人……。この家で働いてないのは姉ちゃんだけなのよ!! お夕飯が毎晩家族会議みたいになってるのよ!!」
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階段を上りきり、自室のドアノブに手をかける。
「そっかー。ぼくバイト行ってるから知らなかったわー」
「湊人が冷たい!!」
(中略)
「お願いっ……働かないでっ……!」
「……姉ちゃん」
切実だった。
二十歳といっても、いろいろなのだ。
好きな子が店長を務めるコンビニで,女装して性別を隠しながらバイトをしている高校生の湊人.問題店員のひとり,早梨の更生の手伝いをするうち,何やら早梨に惚れたらしい男とデートさせられるハメになる.
女子高生店長の細腕コンビニ繁盛記(?)第二巻.気になったのは作中のパーツのリアリティレベルがバラバラなこと.貧乏で健気な女子高生のもとに集う変人たち,という流れや,ヤンキーと思っていた女が実は……という物語は良いのだけど,その関係がコンビニ店長とその店員,という関係になると途端にデタラメっぽく見えてしまう.お金とか生活とか,絡むものは多くなるのに,そこの描写が都合よくごっそり処理されてしまうからかなあ.舞台が学園とか,部活の長と部員の関係とかならそのまま自然に読めたのかもしれないけど,インパクトはなくなるし.バランスが難しかったのかなあ.