- 作者: 長野まゆみ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2008/11/20
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (25件) を見る
「蜜蜂、ふしぎな気がしないか? 玄関にしても教室にしても、こうも簡単にとびらがひらくなんて。だいいち、あの鉄の門だって、なんだかいつもより小さかった。」
Amazon CAPTCHA
「満月だからさ。」
つまり、理由なんかない。玄関もとびらもあいていた。それだけのことだった。
「そうだね。」
「そうさ。」
友人の蜜蜂が忘れた鳥の本を取りに,いっしょに夜の学校に行ったアリスは,そこで不思議な出来事に出会う.長野まゆみのデビュー作の「改造版」.少年アリスと少年蜜蜂と犬の耳丸,空に縫い付けられる月と星,花と植物の名前,夜の教室に集まる教師と生徒たち…….童話のような不条理で綺麗な光景がしっとりと静かに描かれる.派手な出来事が起こるわけではないけど,不思議な余韻をのこすラストまで,非常に綺麗な流れができていると思う.個人的にはもうひとつ引っかかる部分がなかったかなあ.