木野裕喜 『スクールライブ・オンライン』 (このライトノベルがすごい!文庫)

3Rは人を育てるゲームなんだと、今ようやく実感することができた。
僕は今この瞬間、成長している。
そして何より、僕は今、仲間と共にゲームを楽しんでいる。
「そうだよ。楽しくないゲームなんて、嘘だよな」
足を止めることなく、僕は一人ごちた。

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「楽しみながら学べる新たな教育」を掲げ,MMORPG【Real Reflects Record】,通称3Rをカリキュラムに取り入れた私立栄臨学園.ゲームが好きで栄臨学園に入学した新藤零央は,レベルこそがすべてという風潮にうんざりし,ソロでのプレイを続けていた.そんなある日,3Rの大型アップデートが零央の学園生活をガラリと変えてしまうことになる.
学園×ネットゲームもの小説.作中でのゲームと教育のシステムがまったく紐づいているように見えないのがいちばん気になるところ.テストの点が上がるとゲームが有利になる,というのはいいとして,ゲームでレベルが上がるとテストの点に加点されるという意味がわからない.このあたり,「バカとテストと召喚獣」がいかによくできたいたかを思い知るなあ.主人公の優柔不断と鈍感,登場人物それぞれの言葉不足だけで動いていく話も,喉にずっと小骨が詰まっているような感覚で,正直読んでてイライラする.あとがきを読む限りではある程度は自覚して書いているようだけど,だからといって楽しめるかというとなあ.