- 作者: 河里一伸,しまちよ
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2013/06/10
- メディア: 文庫
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「俺たちの言っている『おんせん』は、いわゆる『温泉』ではない。温泉で女子たちの風呂を覗く権利を賭けた戦い。すなわち『温戦』のことだぁ!」
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1791年,老中松平定信の混浴禁止令により潰えた混浴という習慣.だが,見られなくなれば逆に見たくなるのは人情というもの.覗きに向かう男と妨害する女の戦いは,明治時代初期にルールが整備され「温戦」という名で競技化される.やがてほとんど忘れ去られた温戦は,再び脚光を浴びるようになり現在に至る.
実在の温泉(伊香保,鬼怒川,老神)を舞台に,とある高校の温戦部の活動を描く.ジュブナイルポルノ出身の作家に共通する特徴ではあるんだけど,地の文がやけに説明的で固い.加えて話運びも常識的な範囲内に収まっており,せっかくのお馬鹿なアイデアが活きていないのはもったいないかなあ.……かと言って,どこをどうすれば面白くなるのかはさっぱりなのだけど.あと,群馬県内の高校の温戦部が舞台なのに,主人公が老神温泉を知らないのはモグリだと思いました.