野中美里 『2WEEKS 過ぎゆく時は儚い夢の中で』 (星海社FICTIONS)

2WEEKS 過ぎゆく時は儚い夢の中で (星海社FICTIONS)

2WEEKS 過ぎゆく時は儚い夢の中で (星海社FICTIONS)

「宇宙人的進化論―ネクタールが生命に与える影響―。
ネクタールが及ぼす環境への影響が自己修復プログラムを止めたことで顕在化し、地球の生命は変化の岐路に立たされている状態にある。今後生命が二種類に分かれることが予想できる。生き残る種族と滅びる種族の二種類である。すでに環境の変化はティッピングポイントを超えているため、この事態を止める方法は存在せず、環境の変化に耐えられない生命は今後どんどん死に絶えることになる。
なお宇宙人の勘と洞察で立てた仮説なので根拠もデータもなにもない」
「どういうこと?」
「ガラス戸開けてくんない?」
「ああ、はい」

2WEEKS 過ぎゆく時は儚い夢の中で (星海社FICTIONS) | 野中 美里, えいひ |本 | 通販 | Amazon

二学期のはじまり.友人の倉釣が上代雪介の前に連れてきた少女,青園.彼女は,自分が『神の巫女』を守る十二人の『守護者』(ガーディアン)のひとりであり,『巫女』を救う『騎士』を探しているというのだが.
前世厨か,と思しき少女が押しかけてくるも,何やら様子がおかしい.更には宇宙人が現れ,種を超えたジェノサイドが起こるとか起こらないとか.オカルト部と宇宙人のオカルトな日々,シリーズ三巻目.なんか全体的にふわっふわしたと物語が進んでいったなあ.宇宙人の妙生(メジロに寄生して日本語を話す)のふわふわ感は今までどおり.更には守護者の少女(二つ名は『蛇遣い座のラピスラズリ』)やらそれを狙う刺客やら,作中で「ごっこ遊び」と言っているまんまの展開で,深い事情に突っ込まないまま話が進むのでどこまでいってもふわふわしている.どう見ても主人公陣営のほうが力があるし,緊張感が抜けたままラストまで行ってしまった感覚だった.宇宙人の思考なり体感なりを,ふわふわなりにもうちょっと突っ込んで描いてくれれば……というのが個人的な感想というか希望です.