枯野瑛 『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? #01』 (スニーカー文庫)

「ちゃんと、見ておきたかったんだ。自分たちが、何のために命を遣うのか」

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人類が死に絶えてから五百年.浮遊大陸群(レグル・エレ)のライエル市は,隣の浮遊島を蝕んだ〈獣〉によって,滅びを目の前にしていた.護翼軍の四位武官,フェオドール・ジェスマンは,避難民が消えて閑散とした街でひとりの少女に出会う.
「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」の約5年後を舞台にした,次世代の黄金妖精(レプラカーン)たちを描く物語.反逆者として処刑された兄の背中を追い続けるフェオドール,世界を救うために犠牲となった先輩を追い続けるティアット.いなくなったひとに縛られた結果,いろいろなものをこじらせた,似ているようで似ていないふたりのすれ違いが可愛らしい.世界の置かれた状況説明は前シリーズで済ませたので,今後はそういう世界で生きる人々や社会の描写が濃くなっていく,のかな.楽しみに追いかけようと思います.