森橋ビンゴ 『この恋と、その未来。 ―三年目 そして―』 (ファミ通文庫)

この恋と、その未来。6 -三年目 そして- (ファミ通文庫)

この恋と、その未来。6 -三年目 そして- (ファミ通文庫)

そう、俺は、まだ子供だ。

高校を卒業したら独り立ちしようと考えていても、セックスを経験しても、まだまだただのガキなのだ。

俺には、それが歯痒かった。

いつから、人は「大人」と呼べる存在になれるのだろう。

そんなことを考えながら、広美さんを抱き、眠った。

未来は四郎の前から去った.バイト先の店長,広美と結ばれた四郎は,将来を考えながら高校最後の穏やかな一年を過ごす.そして卒業式の直前,父親からの連絡を受けて上京した四郎は思いがけない再会を果たすことになる.

別れがあり,一年の間に様々な変化が訪れ,やがて.高校三年間のある恋愛を描いたシリーズの最終巻.年上の女性と結ばれ,家族や友人をはじめとした人間関係が緩やかに急速に変化してゆく.派手なことは何も起こらないけれど,キャラクターのそれぞれが,進むべき未来を見つけられたことを,素直に良かったなあと思える作品だった.打ち切りだったはずのシリーズを完結してくれたことには大いに感謝したい.お疲れ様でした.

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