――大丈夫。
どんな痛みでも、いつかは消える。
たとえ、消えて欲しくなくても。
流れ落ちる季節が全てを平らに消えていくことを、母を失ったビガはよく知っている――だから身を任せればいい。トナカイたちが長い冬も短い夏も、淡々と過ごしていくように。
でなければきっと、複雑すぎる世界のどこかで、自分を見失ってしまうから。
ハロルドを守るため、重大な秘密を抱えることになったまま、捜査に従事するエチカ。ある日、
パートナーを解消され、別々に捜査にあたることになったエチカとハロルド。サンクトペテルブルク、リヨン、オスロをまたぎ、それぞれに〈E〉を追う中で、テクノロジーが社会とヒトにもたらしたものを目の当たりにする。シリーズ三巻は、あとがきによればテクノロジーに祝福「されない」側に生まれた人間たちの物語。
ユア・フォルマユーザーを「糸人間」と呼ぶ
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