赤城大空 『淫魔追放 ~変態ギフトを授かったせいで王都を追われるも、女の子と“仲良く”するだけで超絶レベルアップ~』 (ガガガ文庫)

ビキビキビキズアアアッ!

瞬間、ズボンのウェスト部分から金属質の棒が飛び出してくる。

アダマンタイトに変化した男根が剣となり、ぴったりと僕の手に収まった。

「分離」

変化した男根を抜き放つ。

男根高速機動技――肉棒高飛び。

今日は年に一度の聖誕祭、ある年令に達した少年少女に〈ギフト〉が授けられる日。スカーレット公爵家の三男、エリオに授けられた〈ギフト〉は〈淫魔〉、スキルは〈絶倫〉。〈聖騎士〉の家系にふさわしからざるギフトを得てしまったエリオは、街を追われてしまう。下半身に得も言われぬ熱を抱えたまま……

「自分の男根を武器にして戦うって……こんなのもう言い逃れのしようもない変態じゃないか……!」

なにが男根剣だ。どうかしてるんじゃないか。

僕はがっくりと膝から崩れ落ちる。

こんなのもう性騎士……いや性器士だ。

スキルは絶倫、武器は男根。もともと本にするつもりがなかったとはいえ、デビュー以来でいちばんイカれた話なんじゃないでしょうか。自由自在の形状変化、肉からアダマンタイトまでお好みの形質変化、さらには分離も再生もおまかせあれ。そんな男根を手に入れたら何をしたい? みたいな。小中学生男子の夢というか、男根への(アホみたいな)イノベーションの数々が惜しげもなく披露される。男根にそんな使い道が!? と普通に度肝を抜かれまくった。作風でもあるけど、やることをやりつつ、「男臭さ」があまりないのが独特の読み心地になっていると思う。一年分の「男根」を目にした思いです(年内に続編が出るかもしれないが)。