菊石まれほ 『ユア・フォルマVI 電索官エチカと破滅の盟約』 (電撃文庫)

別に、何かしてくれと頼まれたわけではない。

最初から、何もかもただの自己満足に過ぎない。

それでも。

――何も、できなかった。

12月の下旬。国際AI倫理委員会(IAEC)委員長トールボットへの電索強行によって、エチカは一ヶ月の謹慎を命じられていた。しかしトールボットが明かした「同盟」に関与した出資者たちの存在が明らかになったことにより、急遽現場復帰を命じられる。捜査局が追った六人の出資者たちはしかし、全員謎の変死を遂げる。

サンクトペテルブルク、エノンテキエ、フィラデルフィア、アル・バーハ、ロンドン。次々と移り変わる、文字通り世界を飛び、『同盟』の存在を追う。エチカ・ヒエダの父がやろうとしたこと、信頼していた上司の解任、電子犯罪捜査局に潜んだ内通者、物語のあらゆる前提をひっくり返しかねない『同盟』の存在と正体、そしてここまで積み上げてきたものでがんじがらめになったエチカの葛藤と結末。希望に通じる道を念入りに潰しているようにしか見えない。あらゆる要素が絶望に通じていて、ハードSFに徹しているだけに安直な逃げ場が見えない。ここからなんらかの救いがあるのか……? (この巻までやらないだろうけど)これを本当にアニメ化するのか……? できるだけ早く続きをお願いいたします……。



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