夜方宵 『探偵に推理をさせないでください。最悪の場合、世界が滅びる場合がございますので。』 (MF文庫J)

「ただの子供ではありません。本格的名探偵です」

「ほ、ほんかく? なんだって?」

「本格的名探偵です」

ミステリ好きの高校生福寄幸太は、クラスメイトの自称本格的名探偵、推川理耶に突然声をかけられ、一方的に助手に指名される。活動拠点を見つけた二人のもとに、少し変わった助手希望者が集まり、そしてついに事件が起こる。

第19回MF文庫Jライトノベル新人賞審査員特別賞受賞作。屋上での墜落死事件に、「ヘビ」のダイイングメッセージを残した遊園地の殺人事件、小説家磔刑殺人事件。「本格的名探偵」とその助手たちは難事件を次々と解決してゆく。

むちゃくちゃな推理を無意識の能力で現実化してしまう自称「本格的名探偵」のもとに集まった助手は、目隠し幼女、二重人格のお嬢様、魔法少女、ただのミステリ好きの高校生。意識してやってるのだと思うが、語りも舞台立てもほぼミステリ版涼宮ハルヒだった。正直、谷川流のうまさを実感するけど、一冊にすべてが圧縮されてサクサク読めるこちらも悪くはない。お気楽な気持ちで読んでみていいかもしれないですね。