「あんな子供、生むんじゃなかった……!!」
異世界エルフ・アリエルを救えず、最大の理解者だった一ノ瀬由奈とは断絶してしまった。決定的に間違えた中田忍は、新たな最後の協力者を巻き込み、自身のルーツをたどりはじめ、やがて己の人生を賭けた結論を出す。
仕方あるまい。
大人だろうと、何百年生きていようと、万能の魔法が使えようと。
孤独にだけは、敵わないのだ。
「この世界は須く俺たちを嫌っている」。福祉生活課長の視点で、己のルーツを振り返ったとき、忍はどんな結論を出し、そんな救いのない世界でどのように生きようとするのか。わりとびっくりする事実が次々と出てきて、最終回という感じがしなかったシリーズ最終巻。同人版も合わせて九冊もかけたはずなのに、あっという間に駆け抜けていった気がする。寂しい。けど、書くべきことは書ききったのかな。個人的には、時たま地の文に出てくる「かわいい」の意味がわかったのがよかった。読み終わったなら表紙をもう一度見てほしい。お疲れ様でした。