- 作者: 柞刈湯葉,田中達之
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/08/10
- メディア: 単行本
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人間の到達できないエキナカにアンドロイドを送り込む彼らの事業は、よく宇宙開発に喩えられる。横浜駅はいわば宇宙なのである。
本州を覆い尽くした横浜駅とそこに根付いた社会の姿を,「瀬戸内・京都編」,「群馬編」,「熊本編」,「岩手編」で描く.『横浜駅SF』の全国版,という名の続編.読んでて実感したのは,単なるディストピアに留まらない横浜駅という舞台の面白さよ.横浜駅への潜入のために作られたアンドロイドだったり,横浜駅の侵入を水際で阻止するJRだったり,分断されたことによって様々な形態を持つようになった社会の姿だったり.読んでいてまったく飽きない.今回書かれた話に限らずとも,いろいろなアプローチがありそうで夢が広がる.とても楽しかったです.
それじゃ、ここできみとはお別れだ。バイバイ。
でも、そんなに遠くに行くわけじゃないよ。
どうせこのエキナカじゃ、地理的距離はたいした意味を持たないんだ。ぜんぶスイカネットでつながっているのだからね。