救世主だった僕が三千年後の世界で土を掘る理由 (講談社ラノベ文庫)
- 作者: 有丈ほえる,ちょこ庵
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/11/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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人間は滅んだだけじゃない。三千年という年月が、アルデヒトから人間の記憶すらも消し去ってしまっていた。
怒りが湧いてくる――いきなり現れて世界を蹂躙したと思ったら、こんな簡単に忘却してしまうなんて。アルデヒトは、人間に仇敵として恨むことさえ許してくれないのか。
「しぶとさだけは一級品の宇宙ゴキブリめ!! いいですか!! アルデヒトは、人類に服従するべきなんです!! ここは、もともと私たちの星だったはずだ!! 積み重ねてきた歴史がそれを証明している!!」
地球外から到来した知性体・アルデヒトの侵略により,人類の文明は破壊された.それから三千年.人類の救世主として開発された人型兵器・クチュールマタの少年,リュトがコールドスリープから目覚める.地球は,自分たちが侵略者だと知らないアルデヒトが「地球人」として暮らす世界へと一変していた.
失われた三千年の間に起こった真実を求め,遺跡を発掘する.人類からアルデヒトへ,文明交代後の遺跡発掘と考古学のファンタジー.ヘドロに覆われた地球,巨大な樹上で生活するアルデヒトといった世界の描写や,後半のストーリー展開など,随所からジブリへのリスペクトを感じる.前半から中盤にかけてはストレスの貯まる展開が多いのだけど,ある秘密が明らかになる後半のスケールはなかなかのもの.続きも今月末すぐ(二ヶ月連続刊行)に出ることだし,あらすじで気になったら手にとって見てもいいのではないでしょうか.