長谷敏司 『円環少女《サークリッドガール》 11 新世界の門』 (スニーカー文庫)

「それは、俺といっしょにあやまってくれるってことか」
「もちろん、せんせのこと、あたしもいっしょに責めたげるのよ」

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太平洋に浮上したアトランチスで,王子護はアトランチス人を名乗りテレビを通じて魔法使いの存在を公開,全世界に認知させた.
クライマックスの始まりの巻.魔法使いと悪鬼=人間の関係に生まれたパラダイムシフト,そして神なき地獄と呼ばれていた地上が「新世界」へと変わるまで.今回もまたすげかった.一巻を読み始めたころからは想像もつかなかったスケールに膨らんできたストーリーも,世界をめぐる大きな流れと仁周辺の小さな流れ,両面からしっかりと描ききっている.物語に安心して身を委ねられる.重苦しくなっていく話の中でも少女の肉体描写は健在で,そういう意味でも安心.ってか少女の幼さを強調するのに「膝小僧がつるりとしわ一つない」とか,前から分かっちゃいるけど見てるところが違うな! との思いを強くしました.