Type:STEELY タイプ・スティーリィ (上) (幻狼ファンタジアノベルス)
- 作者: 片理誠,緒方剛志
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2011/11/29
- メディア: 新書
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白くくすんですっかり透明ではなくなってしまった透明樹脂の空を背景に、桜が咲いていた。
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この都市にたった一本だけ残されたそのソメイヨシノは巨樹というほどではなかったが、それなりの枝振りを誇り、重たそうなほどの花をつけている。既に散り始めていたが、ほとんど舞うこともなくただちらちらと落下するその花びらは、どこか人工物めいてさえ見えた。
ドーム都市の中に、風はない。
かつての大戦で造られた全自動虐殺機械群,通称「アトロハード」により,人類は滅亡の淵まで追い詰められていた.ドーム都市で暮らす少年・新堂善騎は,アトロハードに対抗する人類の切り札である有機系生体ロボット「スティーリィ」のパイロットに選抜される.
自らが造り出した兵器群に追いやられた人類の戦いと,望まない戦いに巻き込まれた少年の物語.ドーム都市やら全自動虐殺機械群やら,背景や設定が妙に懐かしい感じがするのは悪くない.しかし,地の文だけでなく,セリフまでやたら説明的かつ一本調子なのが難だなぁ.話に乗れるまでかなり時間がかかるし,なにより「戦争」をテーマにしている割にバックグラウンドがあまり感じられないのが苦しい.このあたり,下巻で取り戻してくれるといいなあ.