鵜飼有志 『死亡遊戯で飯を食う。7』 (MF文庫J)

「うん」と幽鬼(ユウキ)は言う。「協力してもらってるからね。約束するよ」

あっさりとした答えであった。

しかし、幽鬼(ユウキ)にとっての約束は、命よりも重い。

けじめ。幻影との戦いに勝ち、髪を切ったことをそう表現した幽鬼(ユウキ)は前よりもずっと強くなっていた。順調にゲームを勝ち残り、ある意味平穏な日々を送っていた幽鬼(ユウキ)。しかし、ゲームとは関係ないところでトラブルに巻き込まれる。

ボロアパートの生活に夜間学校、街を支配する不良チームの抗争。珍しくゲーム外の出来事だけで構成された第七巻。今回はギャング小説というかヤンキー小説というか、五巻六巻ともまた違ったにおいがあった。不良たちの抗争に、冷めた視線を持ちつつも律儀で義理堅い部外者の幽鬼(ユウキ)の存在はしっくりと来た。わりと重要な話をしれっと織り交ぜ、最後には何も残らない。この無常。バイオレンス小説かくあるべし。ちょう楽しかったです。